いる・いらない

段階 3 部屋が決まった・採寸の前後

一人暮らしの「いらないもの」は品目では決まらない——先に止めるのは備付と設置の2つだけ

結論

「いらないもの」を品目名で決めることはできない。 調査で「いらなかった」に挙がった品目は、別の調査では買い足した側にも現れる。ランキングは候補を出す入口であって、判定ではない。

確認が済むまで買わないと先に決められるのは、2つだけである。 部屋の備付と重複する品と、候補型番が設置面・動線・搬入経路に収まらない品。この2つは資料と実測で判定でき、好みに依存しない。

代替が実在すると確認できた品は、入居後に試してから決める。 テレビ・洗濯機・掃除機がそれに当たる。自分の用途・頻度に耐えるかは測っていないので、試す期間と買いに戻るトリガーを自分で決めて入居する。

品目先に止める条件代替(一次で確認)入居後に試すこと・買うトリガー出口費用の区分
テレビ備付と重複/設置・搬入スマホ・PC(回答例)用途別に試す。回数・時間・不便は自分で決める家電リサイクル+収集運搬
洗濯機備付と重複/設置・搬入コインランドリー徒歩圏の店舗で試す。頻度・往復時間は自分で決める家電リサイクル+収集運搬
掃除機備付と重複/設置面フロアワイパー(回答例)床の汚れ方で試す。手間の限界は自分で決める自治体の粗大ごみ
ソファ備付と重複/設置・搬入同等性は未取得未判定(代替の同等性が未取得)自治体の粗大ごみ
ベッド備付と重複/設置・搬入同等性は未取得同上自治体の粗大ごみ
冷蔵庫備付と重複/設置・搬入未取得同上家電リサイクル+収集運搬
炊飯器備付と重複/設置面未取得同上自治体の粗大ごみ
ラグ備付と重複/設置面未取得(要否も未取得)同上未取得
机と椅子備付と重複/設置・搬入未取得同上自治体の粗大ごみ(机の例)
アイロン備付と重複/設置面未取得同上未取得
調理器具と食器備付と重複/設置面未取得同上未取得
電気ケトルとポット備付と重複/設置面未取得同上未取得

調査を設問別に読む

「いらなかった」を測った調査は複数ある。

ただし設問も母数も調査年も違うため、3つを1つの表に合算したり、順位を比べたりはできない。 以下は別々の表として読む。

ベルメゾン生活スタイル研究所「20代の新生活調査」(株式会社千趣会、2018年、全国20代・一人暮らし開始後3年以内 n=310、複数回答、上位20項目抜粋)。

設問は「引っ越す前に購入したアイテムで正直いらなかったと思ったアイテム」。

回答(複数回答・上位20項目抜粋)
特になし69.0%
冷蔵庫5.8%
炊飯器5.5%
電気ポット3.5%
浄水器1.9%

複数回答であり、掲載も上位20項目の抜粋である。そのため、残りの割合から「何かを挙げた人の割合」を逆算することはできない。

冷蔵庫に 5.8% という回答があることも、その裏返しの数字が「必要とした人の割合」になることも意味しない。問われたのは引越前に買って要らなかった品であって、必要品の網羅ではない。

出所: ベルメゾン生活スタイル研究所 20代の新生活調査(2026-08-22取得)

アットホーム「初めての一人暮らしアンケート」Q8(アットホーム株式会社、2020年、全国10〜70代の一人暮らし経験者 n=298)。

設問は「一人暮らしで必要なかったものと、その理由」で、自由回答を発行元が分類している。

分類(自由回答を発行元が分類)
多彩な調理器具90人
アイロン40人
食器29人
デスク・チェア13人
やかん11人

自由回答を分類した件数であり、選択肢を提示した調査の順位と並べられない。

「多彩な調理器具」は種類を増やしすぎたという回答を含むもので、個別の鍋や包丁を不要と判定したものではない。

出所: アットホーム 初めての一人暮らしアンケート(2026-08-22取得)

AlbaLink「一人暮らしに必要&不要な家具・家電ランキング」(株式会社AlbaLink、2024年、一人暮らし経験者 n=500、インターネット任意回答)。

設問は「なくても困らない/なくても何とかなる」家具・家電。

回答
テレビ109人
掃除機55人
ソファ43人

回答者の経験にもとづく認識であり、必要性一般を示すものではない。

回答例には、テレビの代わりとしてスマホ・PC、掃除機の代わりとしてフロアワイパーが挙がっている。

出所: AlbaLink 一人暮らしに必要&不要な家具・家電ランキング(2026-08-28取得)

3つの調査に共通して言えるのは、同じ品目が調査によって「いらなかった」にも、開始後に買い足した側にも現れることである。

買い足しの側の数字と、開始時点で何を候補にするかは最初に要る家電が扱っている。品目リストを増やしても、購入時点は決まらない。

先に止める2つの条件

確認が済むまで買わない、と先に決められるのは次の2つである。どちらも好みではなく、資料と実測で判定できる。

1つ目は、部屋の備付と重複する品である。

  • 募集図面に記載された設備を書き出したか
  • 重要事項説明と賃貸借契約で、その設備が備付か残置物かを確認したか
  • 故障したときに修理する主体が誰かを確認したか
  • 撤去してよいか、撤去できないかを確認したか
  • 現地で実物を確認したか

備付の有無は物件ごとに違う。全国の備付率は今回取得できていないため、割合ではなく手元の物件の資料で判定する。

備付か残置物かで、故障時の負担も撤去可否も変わる。

2つ目は、候補型番が設置面・動線・搬入経路に収まらない品である。

判定の単位は部屋の総面積ではなく、次の3つである。

  • 置く面の幅・奥行
  • 扉や収納を開く動線
  • 建物入口から設置場所までの経路

測る順序と各所の測り方は搬入経路の測り方に置いた。照合の相手は品目名ではなく、型番の公式寸法である。

型番と項目(2026-08-28時点の公式表示)
ニトリ シングル ヘッドレスベッドフレーム YQ0077 幅97cm
同 奥行200cm
同 高さ37cm
ニトリ 2人掛けソファ TO01 MO 幅147cm
同 奥行88.5cm
同 高さ86cm
同 梱包状態で必要と案内される納品間口約50cm

これは2型番の値であって、ベッドやソファ全体の基準ではない。

ベッドフレームはマットレス別売りであり、納品間口は設置面とは別の搬入側の条件である。自分の候補型番の公式ページで同じ項目を取り直す。

出所: ニトリ YQ0077ニトリ TO01 MO(2026-08-28取得)

部屋が決まる前は、これらの値が確定しない。

どの品がその値を必要とするかは家具・家電をいつ買うかで整理している。

入居後に試す品

備付とも設置条件とも衝突しなかった品のうち、代替の実在を一次で確認できたのは以下の3つである。

  • テレビ
  • 洗濯機
  • 掃除機

試す期間も、買いに戻るトリガーも、この記事では既定値を置かない。自分の生活で観測できる値を先に書いてから入居する。

テレビ

保有率は必要率ではない。

内閣府「消費動向調査」令和8年3月・単身世帯(2026年3月末時点、単身世帯 2,261世帯。学生世帯等は調査対象外)。

区分(単位: %)普及率
単身世帯全体(2,261世帯)薄型テレビ81.2%
29歳以下(266世帯)薄型テレビ62.8%
30〜39歳(217世帯)薄型テレビ73.3%
29歳以下(266世帯)インターネット接続テレビ29.7%

29歳以下でも 62.8% が保有しているので、テレビが全員に不要とは言えない。同時に 100% でもないので、持たないという選択が実在することも読み取れる。

29.7% はインターネットに接続できるテレビ機器の普及率であり、端末全般のネット利用率ではない。

出所: 内閣府 消費動向調査 令和8年3月 単身世帯(2026-08-28取得)

総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(13〜79歳 1,800人、2025年12月調査。単身世帯に限定していない)。

全年代平均(単位: 分、1日あたり)
平日 インターネット利用時間183.9分
平日 リアルタイムテレビ視聴時間156.1分
休日 インターネット利用時間192.9分
休日 リアルタイムテレビ視聴時間189.2分

これは別々の行動の平均時間であり、同じ人がテレビをネットで代替できたかを測ったものではない。

次の用途を分けて、自分の端末で足りるかを入居後に確かめる。

  • ニュース
  • 地上波のリアルタイム視聴
  • 動画配信
  • ゲーム

出所: 総務省情報通信政策研究所 令和7年度調査(2026-08-28取得)

受信契約は、テレビの有無だけでは決まらない。

放送法第64条は、次の者に受信契約の義務を定めている。

  • NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者
  • NHKの配信の受信を開始した者

NHKの公式案内が示す区分は次のとおりである。

NHK「新規の契約」の区分
対象テレビ
対象TVチューナー付きPC
対象ワンセグ
対象TVチューナー付きカーナビ
対象所定の操作後に利用開始したNHK ONE対象配信
対象外スマートフォンやPCを所有しているだけの場合

テレビを置かないことと、受信契約が生じないことは同じではない。

次の点を、公式案内で個別に確認する。

  • 自分が持つ機器にTVチューナーが付いていないか
  • NHK ONE対象配信の受信を開始していないか

出所: 放送法 第64条NHK 新規の契約(2026-08-28取得)

洗濯機

コインランドリーという代替は実在し、料金も公式に表示されている。ただし料金は店ごとに違う。

以下はコインランドリー宮川町店(IKEDA Holdings、横浜市中区の1店舗、2026-08-28時点の公式表示)の例である。

コース(1店舗の例)料金
12/8kg 洗濯乾燥機 標準コース900円
12/8kg 洗濯乾燥機 洗濯のみ600円
12/8kg 洗濯乾燥機 乾燥のみ100円/10分
17/12kg 洗濯乾燥機 標準コース1,100円
27/20kg 洗濯乾燥機 標準コース1,400円

この5つの値は全国の相場ではない。

試算に使えるのは、次の式までである。

  1. 自分の徒歩圏の店舗を実地で確認する
  2. 自分の洗濯頻度にその店舗の料金を掛ける
  3. 往復にかかる時間を足して比べる

頻度も回数も、この記事では置かない。

出所: コインランドリー宮川町店 料金表(2026-08-28取得)

掃除機

AlbaLinkの調査には、掃除機の代わりとしてフロアワイパーを挙げた回答例がある。

ただし床材やゴミの量ごとに同等かどうかを評価した一次資料は取得できていない。入居後の床の汚れ方で試し、どこまでの手間なら続けられるかを自分で決める。

買うと決めたら確認する費用

買うと決めたときに確認するのは、本体価格だけではない。

後から買う場合の配送・設置と、要らなくなったときの出口費用が別にかかりうる。「後から買うと必ず高い」とは言えないが、次の費用が発生しうることは公式表で確認できる。

項目(2026-08-23時点の公式案内)
ビックカメラ 搬入不可で持ち戻る場合の事務手数料1,500円
同 冷蔵庫150L以下の往復配送料(関東)3,960円
同 洗濯機5kg以下の往復配送料(関東)3,960円
同 外階段・3階以上の1階あたり加算1,100円
同 追加作業員1人3,300円〜
同 クレーン搬入1回30,000円〜
ヤマダデンキ 搬入不可で返品した場合の配送費(金額は配送条件による)顧客負担
同 冷蔵庫270〜500L・内階段2階3,300円
同 ドラム式洗濯機・内階段2階3,300円
同 大型家電の吊り上げ運搬(事前見積り)33,000円〜
ニトリ 通常経路で搬入できない場合の人力吊り上げ11,000円

往復配送料は容量・地域で異なり、送料条件・セール・店舗・設置条件で総額は変わる。そのため、後買いが割高だとは決められない。

言えるのは、次の費用が後買いでも発生しうる、というところまでである。

  • 階段
  • 追加人員
  • 特殊搬入
  • 搬入不可時の費用

ニトリの吊り上げは、現場条件によって不可・後日作業になる場合がある。

出所: ビックカメラヤマダデンキニトリ(2026-08-23取得)

要らなくなったときの費用は、家電4品目と、それ以外で扱いが違う。

家電4品目はリサイクル料金がかかり、そこに販売店ごとの収集運搬料が加わりうる。以下はパナソニック製品の例である。

家電リサイクル料金(パナソニックの例)
薄型テレビ 小1,870円
薄型テレビ 大2,970円
冷蔵庫・冷凍庫 小3,740円
冷蔵庫・冷凍庫 大4,730円
洗濯機・衣類乾燥機2,530円

リサイクル料金だけでは出口費用が完結しない。

次は、リサイクル料と収集運搬料の合計を表示している1社の例である。

Panasonic Store Plus 引き取り料金(合計)
テレビ 15型以下4,290円
テレビ 16型以上5,720円
洗濯機5,610円
冷蔵庫 170L以下6,820円
冷蔵庫 171L以上8,360円

いずれもメーカー・区分・販売店で変わる。全メーカー一律の金額ではない。

出所: 家電製品協会 家電リサイクル券センター 家電リサイクル料金 主要メーカー一覧Panasonic Store Plus(2026-08-28時点)

家具などは自治体の粗大ごみ手数料になる。

以下は新宿区の例で、読者の居住自治体の公式表に差し替える欄として使う。

新宿区 粗大ごみ処理手数料(自治体例)
ソファ 1人掛け900円
ソファ 2人掛け1,300円
シングルベッドフレーム(マット除く)1,300円
ベッドマット1,300円
机(袖なし)900円
タイルカーペット(5枚まで)400円
炊飯器400円
掃除機400円

自治体・寸法・重量・素材・出し方で区分が違う。

出所: 新宿区 粗大ごみの処理手数料一覧(2026-08-28時点)

次の引越しの費用については、サカイ引越センターの公式FAQが、料金を決める要素として次の項目を挙げている。

  • 荷物量
  • トラックの大きさ
  • 距離
  • 人数
  • 時間
  • 建物条件
  • 日程
  • 追加サービス

1品ごとの追加額は公開されていないため、大型品1つでいくら増えるかは書けない。次の見積りで保有する大型品を申告する、というところまでである。

出所: サカイ引越センター 引越し料金(2026-08-28取得)

なお、買う以外の調達をとる場合の実額比較は買う・借りる・中古・実家からにある。

未判定の品目

以下の4つは、今回の一次調査では「いらない」とも「要る」とも判定できていない。未判定を「買わなくてよい」に丸めない。

  • 冷蔵庫: ベルメゾンの調査に「正直いらなかった」という回答があり、同時に他の調査では買い足した側にも現れる。買わない場合に食材の保管をどうするかの安全な条件は取得できていない。外食や都度買いを一般解にはできない。開始時点で候補にするかどうかの整理は最初に要る家電にある。
  • ベッド: 公式の型番寸法は確認できるが、布団などへの代替が睡眠や身体条件まで含めて同等かを評価した一次資料は取得できていない。全員に勧められない。
  • ラグ・カーペット: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表(2011年再改訂)は、家具設置による床・カーペットのへこみや設置跡を通常損耗の例とし、飲み物をこぼした後の手入れ不足によるシミ・カビと、引越作業等で生じた床の引っかき傷を賃借人負担の例としている。ガイドラインはラグの要否や床の傷を防ぐ効果を決めていない。床材、床暖房、清掃と換気、契約の特約を個別に確認する。出所: 国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン別表(2026-08-28取得)
  • 炊飯器: 「正直いらなかった」の回答がある一方、電子レンジや鍋での調理が同等かを比べた一次資料は取得できていない。自分が米を炊くか、どの頻度で炊くかで個別に判定する。

料金・条件はいずれも記載時点の公式表示であり、現在の条件を保証しない。購入・処分の前に、各社・各自治体の公式ページで確認する。

この記事で決められるのは2つである。

  • 備付と設置の2条件で、確認が済むまで買わない品を先に外すこと
  • 代替の実在が確認できたテレビ・洗濯機・掃除機については、試す期間と買いに戻るトリガーを自分の言葉で書いてから入居すること

ホームに戻る