いる・いらない

段階 2 部屋が未定

一人暮らしの初期費用は3層で考える——配属先が決まる前でも2層は仮置きできる

結論

初期費用は「賃貸契約」「引越し」「家具家電」の3層に分ける。 決まる条件と時期が異なるため、最初から一つの総額にまとめない。

配属先が未定でも、賃貸契約と家具家電は仮置きできる。 賃貸契約は「仮の家賃上限×4〜6カ月分」、家具家電は調査で確認できる購入額の分布を予算帯として使う。

引越しだけは、距離が決まるまで幅が大きい。 時期、距離、荷物量によって、単身でも27,000円から100,000円を超える範囲まで開く。

何で決まるか配属先未定のときに置けるもの置けないもの仮置きの式
賃貸契約家賃、敷金・礼金、契約条件仮の家賃上限実際の家賃、敷金・礼金、各種手数料仮の家賃上限×4〜6カ月分
引越し時期、距離、荷物量引越し時期と荷物量の仮条件移動距離、実施日、見積額距離確定後に見積もる
家具家電購入品目、持ち込み、備付設備、部屋の寸法購入額の予算帯最終品目、設置・搬入できる商品予算帯を置き、品目確定後に差し替える

この3層は、根拠となる調査の対象も異なる。

別々の調査結果を足して「一人暮らしには一律でこの金額が要る」とは扱わず、条件が決まった層から実額へ差し替える。

賃貸契約は「仮の家賃上限×4〜6カ月分」で置く

賃貸契約の層は仮の家賃上限で計算し、物件が決まったら見積書の実額へ差し替える。

株式会社LIFULLのLIFULL HOME’Sが2025年7月9日に更新した実務目安では、賃貸初期費用は家賃4〜6カ月分である。

株式会社リクルートのSUUMOが2026年3月31日に更新した首都圏想定の実務目安では、家賃4〜5カ月分としている。

どちらも統計調査の平均ではなく、母数のない実務上の目安である。

したがって、配属先が決まる前に置けるのは絶対額ではない。

「仮の家賃上限×4〜6カ月分」という賃貸契約の層だけである。

項目目安出所
敷金家賃0〜2カ月分LIFULL HOME’S、2025年7月9日更新、実務目安、母数なし
礼金家賃0〜2カ月分LIFULL HOME’S、2025年7月9日更新、実務目安、母数なし
前家賃1カ月分LIFULL HOME’S、2025年7月9日更新、実務目安、母数なし
入居月の家賃入居月の日割り+翌月分が一般的SUUMO、2026年3月31日更新、首都圏想定の実務目安、母数なし
仲介手数料0.5〜1カ月分+消費税LIFULL HOME’S、2025年7月9日更新、実務目安、母数なし
保証会社の初回保証料月額総額の50%が一般的で、100%の例もあるSUUMO、2026年3月31日更新、首都圏想定の実務目安、母数なし
火災保険2年で15,000〜20,000円SUUMO、2026年3月31日更新、首都圏想定の実務目安、母数なし
鍵交換10,000〜20,000円LIFULL HOME’S、2025年7月9日更新、実務目安、母数なし
層の総額目安家賃4〜5カ月分SUUMO、2026年3月31日更新、首都圏想定の実務目安
層の総額目安家賃4〜6カ月分LIFULL HOME’S、2025年7月9日更新、実務目安

仲介手数料には法定上限がある。

国土交通省の説明では、貸主と借主の双方から受け取る合計は賃料1カ月分×1.1以内である。

居住用建物では、一方から受け取れる額は賃料1カ月分×0.55以内が原則である。その一方から承諾を得ている場合は例外となる。

出所: 国土交通省 不動産取引に関するお知らせ(2026-08-22取得)

これは法定上限の説明であって、実際の請求額が常に家賃1カ月分になるという意味ではない。

敷金と礼金も、それぞれ家賃1カ月分を既定にできない。

ゼロだった契約や掲載物件が複数の調査で確認されている。

調査(発行元・年・対象・母数)ゼロの割合
LIFULL HOME’S 2025・首都圏の掲載物件(掲載件数非開示)・賃料10万円未満の敷金063.3%
同・賃料10万〜15万円未満の敷金046.4%
同・賃料20万円以上の敷金018.6%
同・賃料10万〜15万円未満の礼金030.2%
同・賃料20万円以上の礼金042.3%
SUUMO 2019年度賃貸契約者動向調査・首都圏・n=1,280・全体の敷金025.5%
同・全体の礼金040.2%
同・一人暮らしの敷金030.1%
同・一人暮らしの礼金042.5%
アットホーム2018「新社会人住み替え資金事情」・会社員歴1〜3年目で入社に合わせ一般賃貸へ住み替えた人・n=513・敷金と礼金がともに0円41.9%

調査年、地域、対象、集計方法が違うため、これらの割合を相互に比較したり合算したりはできない。

ただし、敷金と礼金が物件条件によってゼロから変わることは確認できる。

仮計算では家賃4〜6カ月分の幅を使う。

契約前には、次の項目を見積書の記載額に差し替える。

  • 敷金
  • 礼金
  • 前家賃
  • 仲介手数料
  • 保証料
  • 火災保険
  • 鍵交換

引越しは距離が決まるまで幅を残す

配属先が決まるまで、この層だけは距離による大きな幅を残しておく。

株式会社エイチームライフデザインの引越し侍が、2026年8月22日取得時に掲載していた過去4年分の自社利用者アンケートでは、通常期を5〜2月、繁忙期を3〜4月としている。

単身引越しの実測だが、標本数と地域構成は非開示である。

時期・距離・荷物量実測額
通常期、距離別の全体レンジ27,000〜90,000円
繁忙期、距離別の全体レンジ35,640〜140,000円
通常期、15km未満、荷物少27,000円
通常期、500km以上、荷物少65,940円
繁忙期、15km未満、荷物少35,640円
繁忙期、500km以上、荷物少100,000円

同じ荷物少の条件でも、通常期は15km未満の27,000円から500km以上の65,940円まで開く。

繁忙期は35,640円から100,000円まで開く。荷物多を含む距離別の全体レンジでは140,000円に達する。

この数字は個別見積もりの保証ではない。

配属先が決まる前は時期と荷物量だけを仮条件として残す。勤務地から移動距離が分かった時点で見積額へ差し替える。

家具家電は平均ではなく予算帯を置く

家具家電の層は、古い調査を現在の平均にせず、購入額の分布から予算帯だけを置く。

アットホーム株式会社が2020年10月2〜9日に全国の10〜70代男女を対象に実施した「初めての一人暮らしアンケート」では、家具・家電総額の設問の母数はn=254だった。

掲載された区分は次のとおりである。

初めての一人暮らしで買った家具・家電の総額割合
10万円以下42%
20万円以下41%
30万円以下11%

掲載された3区分で94%を占める。20万円以下の区分までで83%となる。

残り6%の内訳は個別に表示されていない。

2020年調査で回答者の年代幅も広いため、新卒の現在の平均額には読み替えない。

ここで置くのは購入額の予算帯までである。

部屋の備付設備や購入品目が決まれば、予算は変わる。

最初に要る家電の絞り方と、家具・家電を買う時期の決め方を使い、この層の中で必要品と購入時期を絞る。

誰が払うかは相場ではなく確認の順番で決める

最初に会社制度を確認し、対象外になる費用を本人と家庭で分ける。

住宅手当については、公的統計で企業の支給状況を確認できる。

調査条件結果
厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」、常用労働者30人以上の民営企業、有効回答3,820社、支給状況は2024年11月分住宅手当などを支給した企業は全企業の41.7%

これは制度を支給した企業の割合であり、新卒者全員が受給できる割合ではない。

新卒入社時の赴任旅費や引越し補助については、企業割合を確認できる公開データを取得できていない。

転勤者向けの調査結果を、新卒入社時の制度へ置き換えることもできない。

契約や手配の前に、勤務先へ次を確認する。

  • 住宅手当、赴任旅費、引越し費用補助の制度があるか
  • 新卒入社者や今回の転居が対象になるか
  • 賃貸契約、交通費、引越し代など、どの費目が対象か
  • 指定業者を使う必要があるか
  • 申請に領収書が必要か
  • 立替後の支給か、支給時期はいつか

親の援助については、対象を限定した過去の実測がある。

アットホーム株式会社が2018年2月2〜5日に、全国の会社員歴1〜3年目で入社に合わせ一般賃貸へ住み替えた人n=513へ行った調査である。

社宅・寮への住み替えは除外されている。

援助の対象親の援助があった割合
前家賃・敷金・礼金・仲介手数料48.4%
引越し代40.6%
家具家電などの新生活開始費用46.9%

これは2018年に援助があった人の割合であり、親が払うべき割合でも、現在の全国平均でもない。

三つの割合から「いずれかに援助があった割合」を合算することもできない。

会社制度の対象外になった費用について、本人が負担する範囲と家庭へ相談する範囲を個別に決めるための参考に限られる。

この記事で決められること

最初に決めるのは総額ではなく、仮の家賃上限と確認の順番である。

仮の家賃上限から賃貸契約の層を置き、契約前に会社制度を確認する。

引越し距離と部屋の条件が分かったら、残る二つの層を実額へ差し替えられる。

ホームに戻る